神保町君のメモ帳

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「光琳を慕うー中村芳中」展(千葉市美術館)

僕の中で芳中は酒井抱一と同じ時代の人で、同じぐらい光琳大スキっ子なのに、ちょっと抱一よりマイナーで人気もう一歩って感じです。

でも、大坂で活躍した人で、同じ関西人(一応)としては地味に応援しているので、展覧会の最終週になんとか千葉まで行って参りました。

そして、何故もっと早く観に行かなかったんだろうってぐらい良かったです。

結構大幅な入れ替えがあったので前期も観ておくべきだった・・

こんなに会場で笑った展示は初めてっていうぐらい、一緒に行ったアイボウとクスクスしながら観ました。

芳中、犬の可愛らしい意匠が一番一般的でしょうか。それもあって他にも「カワイイ」作品が沢山あるのかと思ってましたが、そこを通り越して「シュール」って言葉を使いたくなる不思議で面白い捉え方をしたものが多かったです。

印象に残ったのは「扇面貼交屏風」 特に、松と白椿の意匠。

松はまるでマッシュルームのような形でデザインされていて、確かに可愛いといえばそうなのですが、他の作品でも散々マッシュルーム松を見せられて、最後の方、「蓬莱山図」のキャプションに「きのこではなく松」と大きく書いてて吹き出しました。

今更それを言うか・・

白椿も花びらを描かず、周りの輪郭を太い線でグルっと縁取ってる感じが気に入りました。まるで吉原治良の○みたい。

あと動物を描いた中でも特に鳥を描いた作品が楽しかったです。

ちょっと芳中さん力抜きすぎじゃないですかっていうぐらいの線でカワイイというか「間抜けな」表情(でも目には謎の力がある)を沢山みせてくれました。あと、鹿も良かったです。地デジカのもとになった!?みたいに書いてるキャプションにもまた笑わされました。

そんなこんなで、全体的にみて思ったことは、江戸の抱一と比べると、線が極端に繊細ではなく、悪く言えば雑に見えてしまう感じがあると思いました。

よく言えば力が抜けていて、自由な線に見え僕はとても好きなのですが、もしかすると抱一よりさらに「文人画」という印象を受ける作品が多く、一般的になりにくいのか?と感じました。

生まれた土地の違いなのか謎ですが、江戸琳派の抱一より、一度江戸に下って大坂に戻り活躍した芳中に、より親しみを感じてしまいました。

(「光琳を慕うー中村芳中」5月11日まで)

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↑こちらが「蓬莱山図」。これはすごくしめじっぽい。

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まさに地デジカ