神保町君のメモ帳

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山種美術館「福田平八郎と日本画モダン」(前期)

土曜日朝一で行くとそんなに混んで無かった 美術史の本で見て気になっていた「漣」(前期展示)が目当て

その「漣」にたどり着くまでに色々な時代の作品があったけど、関連性を感じたのは「花菖蒲」ぐらい 結構唐突に「漣」描けちゃったんだなって思った。

そもそも自分が「良い絵だな~」と感じるのは、”自然はこうなっているはず”っていう人間の先入観を上手く裏切ってくれてる絵だと思う 「漣」と「花菖蒲」では、線と色の遠近法が相対しているように感じた 要するに2つの遠近感が平面の画面上に捻れて絡み合った状態で存在してる どっちかが自然でどっちかが不自然って事

だからこそ同じく平面的な処理の「筍」はカワイイけどちょっとイラスト・デザインぽいと感じ、「漣」に関しては「手ぬぐいの柄かよ!」という突っ込みを入れずにすんだのだろう

 

でも「漣」の解説に、表具屋の勘違いで金箔を張ってきて仕方ないから上からプラチナ箔を張ったとあるし、関連性を感じる作品が少ない所為もあって、こういう作品を描けたのは偶然なのか? と思ってしまった

そして、そういう色とか線とか明暗とかを自由自在に意図的に操ってるのが、同じ会場に数点あった山口蓬春さんだと感じた 

まぁ偶然だろうと意図的だろうと良い絵はやっぱり良いと思うから、自分は福田さんも山口さんもそして一点だけあった中村正義さんも結構好きだ

で、無駄に理屈っぽい自分が嫌いだぁ・・

今回の展覧会:

山種美術館「福田平八郎と日本画モダン」2012/5/26-2012/7/22まで(現在は後期展示)