神保町君のメモ帳

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マックス・エルンスト -フィギュア×スケープ

 観るかどうか散々悩んだ展覧会 マックス・エルンスト・・ 観る前のイメージはシュルレアリスムの3番手(キリコ入れるなら4番手か?) でも何故かシュールで一番興味をそそられるのはエルンストさんだったりする

なんでだ? それを確かめる為にも観に行ってみた

 副題の「フィギュア×スケープ」 「フィギュア」は図形とか形 = キャラクターというとらえ方でいいのか? 「スケープ」は?ランドスケープ? あ、風景とか空間みたいな意味で使ってるのか 

そのキャラクターや風景・空間が絵として表出するのに様々な過程を経ていると言う説明を一応読みながら観ていく 文学・心理学・宗教・幾何学、技法で言うとコラージュとかフロッタージュとかデカルコマニーとか

正直難しい話は半分ぐらいしか理解出来てない だからいつもなら、「へーそうなんだー」で終わってしまうんだけど、エルンストさんは絵でもちゃんと惹きつけてくれた

 

 特に良かったのは「風景画」 と言っても記号化されていて、一見してどういう景色かというのはわからないんだけど、その記号の組立方が凄く上手い それは平面の構成という意味だけじゃなくて、マチエールを選択するセンスもすごいと思った ここでのマチエールは素材感と言うより表面の質感という意味

このマチエールにしてもシュールなんだから全てが意図したものではないのかもしれないけど、やっぱりそのひと個人が持ってるものって出てしまうのだろう

 「フィギュア」に関しても、「これをこう考えてこうしたから生まれた」って言うのはあるんだろうけど このキャラクターを選んじゃうエルンストさんって結構素敵って思った 

特に「大アルベルトゥス」(1957)はこの展覧会で一番凝視した。自分も絵を描くから人の絵を見る時はどうしても、「こう捉えてこうやって描いてるんだな」と制作過程を想像していまうんだけど、この絵はそれが出来なかった 「どう捉えてどう描いてるんだ??」そんな感じ また、ここでもやはり独特のマチエールに感心した

このセンスの良さやバランス感覚はフリードリヒとかロマン主義の作家の影響を受けているのも大きいのかな? やはり「シュルレアリスム」って言葉だけでイメージを作ってはいけないなと反省・・

あと、その他の平面・立体作品に現れてるキャラクターも、「カワイイ」と感じさせる要素が多いと感じた その所為か他のシュルレアリスムの作家がもってる不安感みたいなものはあまり感じなかった

 以上、簡単に感想を書いてみたけど、他の人に勧めるかどうかは正直かなり悩む・・ 以外と量もあるし気軽に見れるって感じでもない 

ただ、やたらとマチエールの事を書いた様に、絵を描く人にとっては学べることが多いように感じた

今回の展覧会:

マックス・エルンスト -フィギュア×スケープ 横浜美術館 2012/4/7-2012/6/24まで